身障者用への違法駐車を無くすためには、どうすればいいいか。
アメリカの小売店では、あるアイディアで違法駐車がなんと0になったそうです。
舞台はアメリカ合衆国のテキサス州オースティン市にある小売店です。
この小売店では、身障者用駐車場への違法駐車が後を絶ちませんでした。
この課題に挑戦したのは、ダニエル・ピンク氏。
ビル・クリントン政権時代の副大統領だったアル・ゴアの首席スピーチライターを務めた方です。
人間の行動を起こすモチベーションの研究をしており、「ハイコンセプト」「モチベーション3.0」などの書籍でも有名な方です。
ダニエル氏の仮説は、『人は共感した時にある行動を起こす』というもの。
この仮説をもとに、青い車椅子の標識を車椅子に乗った人の写真に変えました。また、写真に「私の事を思ってくれて空けておいてくれてありがとう」というメッセージを付け加えました。
アメリカの小売店で、このメッセージ付きの写真を複数取り付けて、定点カメラで1ヶ月間モニターしたところ、違反者は減るどころか0となりました。
写真で車椅子ユーザーの顔を見て、そこに自分の車を止めれば相手がどんな気持ちになるかを思い浮かべることで、人々の行動が変わったのです。
罰金を重くするなど、厳罰化によって違反者を取り締まる例はありますが、共感によって良い行動を引き出す試みは、日本が目指す共生社会と相性が良いと思います。
ペナルティではなく、共感の力で日本の社会をより良いものに。
ダニエル氏の取り組みは、National Geographic Channelでご覧になれます。
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