アラナ・ニコルズ選手。
アメリカ人女性初。夏と冬両方のパラリンピックで金メダルを取ったパラリンピアンです。
車椅子バスケットボールとアルペンスキーで金メダル！
それ以外にもメダルを獲得しています。
通算メダル数は、金３個、銀２個、銅１個、合計6つのメダル。
パラアスリートとして、バラ色の人生を歩んでいる様に見えますが、彼女の生い立ちは壮絶です。
9歳の頃、酔っ払い運転手が起こした交通事故でお父さんを亡くしています。
その後、兄弟と一緒に祖母に育てられました。
高校では３つのクラブを掛け持ちするほどスポーツ万能だったアラナ。
ソフトボールの奨学生として大学に進学が決まり、将来はオリンピック選手を夢見ていたそうです。
順風満帆の学生生活を送っていたアラナ。
「その時」は17歳の頃、突然やってきます。
スノーボードで初めてバックフリップを決めようとして岩に落下。
脊椎を三か所骨折し、脊髄を損傷しています。
術後二週間して彼女は医師から悲痛の宣告を受けます。
「もう二度と歩けません」
車椅子生活を余儀なくされたアラナは、大学を中退してしまいます。
車椅子にのっているところを見られたくなかった。
公共の場に出ていきたくなかった。
人としゃべりたくなかった。
自殺も考えた。
失意のどん底に落ちたアラナは、パラスポーツを知った時に、聞きたくもなかった。
車椅子の人がスポーツできるとは思わなかった。
そんな彼女も車椅子バスケでみるみる頭角を現していきます。
そして、車椅子バスケの代表選手としてパラリンピックで金メダル。
次に彼女が狙いを定めたのが冬季パラリンピックのアルペンスキー。
アルペンスキーは時速100キロを超えることもあるスポーツ。
始めたころは滑走の度に転倒してばかり。
それでもシーズンが終わるころには世界で一番になっていました。
あふれんばかりのバイタリティと運動神経の良さで希望が見え始めた彼女の人生。
しかし、また不運が彼女を襲います。
バンクーバーパラリンピックの9か月前、兄が消息不明になってしまいます。
3週間後、兄は強盗に銃撃された姿で発見されました。
アラナの原動力となっていた最愛の兄。
兄を失った苦しみに耐えられなくなったアラナは、自分の人生なんてどうでもよくなってしまいます。人生二度目の自殺を考えるまで衰弱。
それでも、兄がどれだけアラナの活躍を望んでいたかを考えて、試合に出場。
結果、アルペンスキーのルーキーだった彼女は表彰台の一番高いところで試合を終えました。
優勝が決まった瞬間に泣き崩れるアラナ。
それは優勝の喜び、兄を失った悲しみ、競技生活を支えてくれた兄への感謝、様々な感情が入り乱れていたと思います。
それから４年後のソチパラリンピック。
アグレッシブなスキーで果敢に挑戦するも、試合中に転倒して意識を失い、ヘリコプターで病院まで搬送されてしまいます。
病室におとずれた妹の表情は、アラナに兄の死を告げた時の表情と同じでした。
家族にこれ以上心配をかけられないと悟ったアラナは、パラスキーから引退します。
最近、アラナがハマっているのはサーフィン。
サーフィンの為に、カリフォルニアへ移住するほどハマっています。
車から車椅子に乗り換え、砂浜を車椅子で移動し、特注ボードの上にまたがり、沖に出て行く。
これら一連の動作は彼女一人でおこなっています。
沖に出るときにボードから投げ出されても、難なく元の態勢にもどっています。
数多くの荒波を超えてきたアラナにとって、ショアブレイクは大したことではないのでしょう。
数多くのパラスポーツに挑戦するアラナによって、その競技の限界がどこまでも広がりそうです。
今後も無理しないように色んな競技に挑戦していって欲しいです。
God forbid there's another woman that was an athlete that just became paralyzed.
Now it's my job to show her what she can do and what's possible for somebody with disability.
It's a testament to how far we've come with technology that people with significant disabilities get on top of mountains everyday.
That's beautiful.
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